犬を飼っていると、皮膚病を予防したり、体臭を抑えたりするために体を清潔に保つ必要があります。
犬をきれいにする場合、時間に制約されたくない方は自宅のお風呂を使うのがおすすめです。
また、近年は人件費や光熱費の高騰でトリミング代も値上げ傾向にあるため、金銭的に助かるといったメリットもあります。
一方で、自宅でお風呂に入れようとしたら犬が暴れて大変だったという声も聞かれます。
では、なぜ犬はお風呂に入るのを嫌がるのでしょうか。
この記事では、犬がお風呂を嫌がる理由とお風呂を好きになる方法を詳しく解説します。
筆者の赤おにです。
犬(主にフレンチブルドッグ)の役立つ情報を発信しています。
- 『フレンチブルドッグの秘密の世界』 運営者
- ペット栄養管理士
- 愛玩動物飼養管理士2級
- 犬の飼育経験10年
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犬がお風呂を嫌がる理由とは
お風呂の時間を察すると震えたり、逃げ回ったりといった経験をした飼い主は多いのではないでしょうか。
あまりの暴れっぷりに心が折れた方もいるかもしれません。
まずは、なぜ犬がお風呂を嫌がるのか、気になる原因を確認します。
濡れたくない
濡れたくないという理由でお風呂を嫌がる犬は多いです。
たとえば、雨の日は犬が散歩に行きたがらないといった経験はありませんか。
犬は水に濡れると毛が皮膚にはりつき、不快に感じるため濡れたくないという理由があげられます。
また、犬種による違いもあるでしょう。
ラブラドールレトリバーやプードルのように水辺の狩猟で活躍してきた犬種は濡れることにあまり抵抗がありません。
一方で、柴犬や秋田犬などの日本犬は山や陸で過ごしてきたため、水に慣れておらず濡れることを嫌う傾向があります。
もちろん個性もありますが、遺伝的な犬種の差があることも覚えておきましょう。
自由に動けない
犬をお風呂に入れる際には、飼い主がリードで固定したり、体を抑えたりして犬が動かないようにするケースがあります。
しかし、犬にとっては自由を奪われ、強いストレスを感じている状態です。
また、お風呂という慣れない場所に閉じ込められると、恐怖心に襲われて震えたり、吠えたりといった行動も考えられます。
自由に動けないストレスに加えて、苦手な水をかけられると、犬はお風呂から早く逃げ出したくて暴れてしまうのです。
シャワーの音や水圧が怖い
犬の聴力は優れていて、人間の4倍以上と言われています。
そのため、犬の耳にはシャワーの音が轟音に聞こえ、驚いて逃げ出す可能性があります。
お風呂は特に音が反響しやすいので、四方八方から聞こえるシャワーの音に怯えてしまう犬もいるようです。
また、人間には心地よく感じられるシャワーの水圧も、犬にとっては勢いが強すぎて不快に感じる場合があります。
水が勢いよく出ると音も大きくなるため、シャワーに慣れていない犬にとっては二重苦になってしまうのです。
シャンプーの匂いが嫌い
犬がシャンプーを使い始めて暴れ出す場合は、嗅ぎ慣れない匂いに拒否反応を示している恐れがあります。
犬の嗅覚は人間の約3,000〜10,000倍にも上り、五感のなかで最も優れています。
かすかな匂いも感じ取るため、シャンプーの香料が強いと刺激物と判断して具合が悪くなる可能性も否定できません。
また、シャンプーをすると自分の匂いがなくなることに不安を感じる犬もいます。
オオカミを先祖に持つ犬は縄張り意識の強い生き物です。
マーキングや体をこすりつけるなどの行動で安心感を得るため、自分の匂いが無くなると本能的に落ち着かなくなります。
犬にとって匂いが消えたり鼻が利かなくなったりする事態は致命的なのです。
過去に嫌な思いをした
お手や伏せなどのしつけを理解するように、犬にも記憶力があります。
そのため、過去にお風呂で嫌な思いをした犬は、お風呂の時間を察すると反射的にその場から逃げ出すかもしれません。
たとえば、無理やり押さえつけられたり、暴れたときにきつい口調で叱責されたりといった行動は犬にとってトラウマです。
最悪の場合、お風呂が嫌いという感情から飼い主が嫌いになる可能性も考えられるでしょう。
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犬がお風呂を好きになるための方法5選
犬がお風呂を嫌がる原因をご紹介しましたが、人間にとっては何気ない行動が犬にはストレスだった事例はよくあるので注意しておきたいですね。
続いては、犬がお風呂を好きになるための方法を解説します。
ひとつずつステップを踏んで、犬がお風呂に慣れるように導いていきましょう。
足元から徐々に濡らす
まずは、足元から徐々に水で濡らしましょう。
いきなりシャワーで水をかけられると、犬は音と水圧に驚いてしまいます。
犬にとってのシャワーは人間が豪雨の日に外出して全身がずぶ濡れになるようなものです。
お風呂に慣れていないとびっくりして逃げ出したくなるのも頷けますね。
足元を濡らして怖がる様子が見られなければ、お尻・背中・胸・頭と少しずつ前方へ移動させていきましょう。
急がずにゆっくりと進めることが大切です。
シャンプーをするときはゴシゴシ洗わずに優しくマッサージしてください。
気持ちよさそうに目を細めたら、犬はリラックスし始めている証拠です。
鼻や耳に水が入らないようする
犬を洗うときは、鼻や耳に水が入らないように気をつけましょう。
人間と同じように鼻や耳に水が入ると犬も痛みを感じてしまいます。
特に犬は嗅覚と聴覚で多くの情報を読み取るため、鼻や耳が正常に作動しなくなるとパニックに陥る可能性があります。
顔周りをシャワーで流すときは、犬の顔を上向きにして、水が垂れて鼻や耳に入らないようにしてください。
また、シャワーを使っていると目に水が入ることも考えられます。
多少であれば問題ありませんが、極端に嫌がる犬もいるため注意しましょう。
どうしても顔周りが濡れることを嫌う場合は、湿らせたタオルで拭いたり、犬用のシャンプーハットを使ったりするのもおすすめです。
シャワーを使わない
シャワーで暴れてしまう場合は、シャワーを使わない方法を試してみましょう。
桶やバケツに水を溜めて少しずつかけてあげれば、シャワーの音や水圧を気にする必要がありません。
シャワーよりも時間はかかりますが、暴れてパニックに陥るよりはお互いにストレスを感じない方法を選ぶことが大切です。
どうしてもシャワーを使いたい場合は、音や水圧を控えるためにシャワーを弱くしてみましょう。
音が出ないようにヘッド部分にタオルを巻くのも効果的です。
できる限り短時間で済ませる
犬の負担を減らすために、お風呂はできる限り短時間で済ませましょう。
犬にとってのお風呂は人間のように毎日の習慣ではないため、非常に疲れるイベントです。
お風呂に慣れていないと身動きが取れなくてストレスを感じ続けている可能性もあります。
スムーズに進めるためには事前の準備が大切です。
汚れを落として乾かすまでのすべての作業を短くするために、タオルやドライヤーも忘れずに準備しましょう。
優しく声がけをする
信頼している飼い主から優しく声をかけられると、犬は自然とリラックスできます。
犬が落ち着いてお風呂に入れるように、柔らかな声色とポジティブな言葉で犬を安心させましょう。
犬が暴れてしまっても、叱責したり、怒鳴ったりしてはいけません。
「大丈夫だよ」「おりこうさん」などと優しく話しかけながら、犬の不安を取り除くことが先決です。
最後までシャンプーができたら、しっかり褒めてあげましょう。
おやつやおもちゃなど、ご褒美を準備しておくのもいいですね。
幸せな思い出があると、犬はお風呂はいいことだと認識するようになります。
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犬をお風呂に入れるときに気を付けたいこと
次は、犬をお風呂に入れるときの注意点をご紹介します。
お風呂の時間をより快適にするためには、犬の気持ちに寄り添って細部まで気を遣うことも大切です。
お風呂に入れるときに犬に起こりうる危険性も解説しているので、ぜひご覧ください。
温度
犬をお風呂に入れるときは、温度を35~40度に設定しましょう。
夏は熱すぎないように35度、冬は寒すぎないように40度を目安にしてください。
季節によって変えることが大切です。
犬の体温は人間よりも若干高く、37.5度~39度とされています。
犬は暑がりであることを念頭に置き、人間が気持ちいいと感じる温度を適用しないように気をつけましょう。
頻度
飼育環境や犬種によって異なりますが、お風呂の頻度は、月に1~2度が望ましいとされています。
たとえば、チワワのような短毛種よりも、ポメラニアンのような長毛種のほうが毛に汚れがたまりやすいです。
また、室内犬よりも室外犬の方が汚れやすいため、シャンプーの回数を増やすとよいでしょう。
ただし、犬の皮膚は人間よりもデリケートなので、やりすぎには注意してください。
頻繁にシャンプーをすると毛の脂分まで落としてしまい、かえって皮膚の状態が悪化する可能性があります。
ブラッシングをする
お風呂に入る前にブラッシングで体の汚れを落としましょう。
抜け毛や毛玉があると、地肌まできれいに洗えません。
また、毛の絡まりをなくしておくとシャンプーの時間を短縮できて、犬の負担も軽減されます。
お風呂が嫌いでもブラッシングが好きな犬は多いので、ブラッシングの時間から犬に前向きな言葉をかけて落ち着かせてみましょう。
食後すぐは避ける
食後すぐのお風呂は絶対に避けてください。
食後は消化のために胃に血液が集まりますが、お風呂に入ると血液が全身に分散して消化に時間がかかってしまいます。
胃腸の血液循環が悪くなると消化不良を起こして、嘔吐する可能性も否定できません。
また、苦手なお風呂を避けようと暴れてしまうと、胃捻転を引き起こす恐れもあります。
胃捻転とは食後に重くなった胃が捻じれる危険な病気で、致死率は20~45%と非常に高いです。
食後すぐに逃げ回ると胃捻転を誘発するため、犬を興奮させないように気をつけましょう。
目安として犬の消化が落ち着く1時間後、できれば2時間は空けてください。
食後はなるべく安静にして穏やかに過ごしましょう。
しっかりと乾かす
お風呂の後は、ドライヤーを使ってしっかりと乾かしましょう。
時間がかかるため自然乾燥させたくなりますが、生乾きの状態は菌が繁殖して皮膚トラブルを引き起こしてしまいます。
皮膚が湿っている状態は犬にとっても不快です。
表面だけではなく、毛の根元までしっかりと乾かし、皮膚の湿気を取り除きましょう。
少しでもドライヤーの時間を短縮したいときは、吸水性に優れたタオルで水気を拭き取ってください。
また、速乾性のある高性能なドライヤーもおすすめです。
暴れてケガをしないようにする
お風呂を嫌がる犬は、思いきり暴れて浴槽にぶつかったり、滑って転んだりといったケガをする可能性があります。
興奮状態を脱するためには、優しく抱き止めたり、「いいこだね」と声がけして、犬を落ち着かせましょう。
また、犬は食欲旺盛な動物なので、おやつで気を紛らわすのも有効です。
噛んで遊べるデンタルトイを使用してもいいですね。
犬は本能的に噛むことを好むため、噛んでいるあいだはストレス発散や気分転換になります。
犬の個性や特徴を把握して、ケガをしないようにうまく気を逸らしてみましょう。
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それでも犬がお風呂で暴れてしまうときは
いろいろと試しても、お風呂嫌いが治らない場合もあるでしょう。
そのようなときは無理強いをせず、以下の方法を検討してください。
トリミングに慣れてからにする
まずは、シャンプーが気持ちいいものと認識してもらうために、ペットサロンでトリミングをお願いしましょう。
プロのトリマーによって心地よい時間が過ごせれば、シャンプーに対する苦手意識が和らぐ可能性があります。
トリミングのときに犬がどのような様子だったか聞いて、自宅のお風呂の参考にしてもいいかもしれませんね。
ドライシャンプーを使う
お風呂嫌いな犬に対する最終手段として、水を使わずに汚れを取り除けるドライシャンプーがあります。
ドライシャンプーには泡、スプレー、シートタイプなどがあり、濡れる必要がないので犬にとってはストレスフリーです。
お風呂が困難な高齢犬やケガをしている犬にとっても、ドライシャンプーは手軽に清潔さを保てるアイテムとして重宝されています。
ただし、ドライシャンプーは一般的なシャンプーと比べて洗浄力が劣るため、地肌からきれいにするのは難しいでしょう。
また、部分的な汚れを落とすことに向いているので、全身に使うとお風呂に入るよりもコスパが悪くなります。
金銭的な面を考えれば、お風呂に慣れるように工夫するほうがおすすめです。
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まとめ
犬がお風呂を好きになるためには、犬がお風呂を嫌がる理由をひとつずつ取り除くことが大切です。
犬の気持ちに寄り添いながら、快適な空間をつくるように心がけましょう。
また、飼い主もゆったりとした気持ちで臨めば、犬の不安を軽減できます。
苦手だったお風呂が大好きな飼い主とのコミュニケーションの時間と感じられるように、ご紹介した方法を実践してみてください。