「男女平等で日本は118位?」
この言葉がX(旧ツイッター)でトレンド入りし、多くの人が驚きや疑問の声をあげています。
なんとなくジェンダー格差があるとは感じていても、こうして世界と比べた数字を目の当たりにすると、その深刻さにあらためて気づかされるものです。
政治や経済、働き方の違いなど、さまざまな場面で男女のバランスは変わってきているとはいえ、日本はまだまだ課題が山積みです。
本記事では、まずこの118位という順位がどういう意味を持つのかを紹介し、その背景にあるデータや社会の流れをひもといていきます。
読み終わったころには、「じゃあ私たちは何をすればいいんだろう?」と考えるきっかけになればうれしいです。

男女平等で日本は世界118位!何が起きてる?
2025年6月に発表された「ジェンダー・ギャップ報告書」で、日本の順位は148か国中の118位という結果でした。
この数字は、G7のなかでも最下位で、アジア圏内でも特に低い位置にあります。
スコア全体は0.666(前年0.663)と、100点満点中で約66点に相当します。
一見、そんなに悪くないように見えるかもしれませんが、上位国が90点以上を取るなかで、この差はかなり大きいのです。
報告書では、政治、経済、教育、健康の4つの分野で数値化されていますが、とくに日本が低かったのは政治と経済の分野です。
たとえば、女性の国会議員や閣僚の数はまだまだ少なく、企業の管理職における女性の割合も世界平均を下回っています。
一方で、教育や健康の面では比較的スコアが高く、女子の就学率や寿命などは良好とされています。
このように、ある分野では進んでいるけれど、他の分野では取り残されているというのが日本の現状です。
日本の男女平等スコアを詳しく見てみよう
日本が世界118位という評価になった背景には、分野ごとのスコアのばらつきがあります。
ジェンダー・ギャップ指数では、「政治」「経済」「教育」「健康」の4つの柱が設けられており、それぞれに細かな指標が設定されています。
このうち、特にスコアが低かったのが「政治」の分野です。
たとえば、国会議員に占める女性の割合は全体の約10%前後と、世界平均の3分の1ほどしかありません。
さらに、閣僚や都道府県知事など、意思決定の場に立つ女性が非常に少ない状況が続いています。
こうした偏りが、スコア全体を大きく下げてしまっているのです。
「経済」の分野でも課題は山積みです。
働く女性の数は年々増えてきたものの、役職に就く人の割合や賃金の差は依然として大きく、男女で正当な評価がされにくい構造が残っています。
一方で、「教育」と「健康」に関しては、ほぼ男女差がないと評価されています。
女子の初等・中等・高等教育の就学率は高く、健康寿命や医療アクセスにも目立った格差は見られません。
つまり、日本はすでに基礎的な部分では整っているものの、社会で活躍する場や意思決定の機会において、まだまだ男女の差が大きいというわけです。
政治の分野がとくに低い理由とは?
日本の男女平等スコアを大きく下げている最大の要因は、政治分野における女性の少なさです。
たとえば、衆議院で女性が占める割合は2025年1月時点で約15.7%と、世界平均の26%前後と比べても大きな開きがあります。
また、閣僚においても女性は2〜3人程度しかおらず、その比率はわずか1割前後にとどまっています。
このような状況では、政策決定の場に女性の視点が入りづらく、制度づくりが現実に即していないという声も多くあります。
女性議員の数を増やすためには、政党の取り組みや候補者選定のしくみを見直すことも必要です。
社会全体の意識改革と、制度的な後押しが求められています。
経済や教育はどうなってる?
政治に比べると、日本の「経済」や「教育」の分野は一定の成果が見られます。
まず教育については、女子の進学率が非常に高く、初等教育から高等教育まで、ほとんど男女の差がないとされています。
学校に通う機会や、学ぶ内容に関しての性別による偏りは少なく、ここは世界的に見ても上位の評価となっています。
一方で経済分野では、働く女性の数は増えているものの、賃金の差や管理職比率に課題が残ります。
同じ仕事をしていても女性のほうが給料が低い傾向があり、役職に就く割合も全体の1~2割程度にとどまっています。
また、非正規雇用で働く女性が多いという現状も、安定した生活やキャリア形成を難しくしている要因のひとつです。
教育では差がなくなってきているのに、社会に出てから格差が大きくなるという“ミスマッチ”が、日本の弱点になっています。

世界の中で日本はどれくらいの位置?
日本の男女平等に関する順位は、世界148か国中118位という結果でした。
この順位は、先進国の中ではかなり低く、G7の中では最下位となっています。
たとえば、カナダは9位、ドイツは12位、フランスは18位と、どの国も上位に位置しており、日本だけが大きく後れを取っている状態です。
経済規模では上位にある日本が、こうしたジェンダーギャップの分野では下位に沈んでいるという現実に、違和感を覚える人も多いかもしれません。
また、アジア諸国に目を向けると、フィリピンは25位、ラオスは43位と比較的高い位置にいます。
同じアジアの中でも、日本より上にいる国が多数あり、文化的な背景だけでは説明できない違いが浮かび上がってきます。
「日本は先進国なのに、なんでこんなに低いの?」という疑問を持つ人が多いのは、まさにこのような国際比較による視点からです。
こうした順位の違いは、制度の整備や社会の考え方の差として現れているとも言えます。
G7と比べると見えてくる差
G7(主要7か国)の中で、日本の男女平等スコアは最下位という結果になりました。
カナダやフランス、ドイツなどは、女性の議員数や閣僚の割合が高く、政治分野でもバランスが取れています。
とくにカナダでは、内閣の半数を女性が占めるなど、数だけでなく影響力の面でも男女平等が進んでいます。
また、欧州では「クオータ制」と呼ばれる制度が導入されている国も多く、一定数の女性を政治や企業の意思決定層に配置するルールがあります。
一方で日本では、こうした制度がなく、女性が出にくい構造そのものが残っているという指摘があります。
経済分野でも、G7の中で日本は賃金格差が最も大きい国とされており、女性が正当に評価されるにはまだ時間がかかるというのが現状です。
こうした違いを知ることで、日本がどこに遅れをとっているのかが、よりはっきりと見えてきます。
アジアの中ではどんな立ち位置?
日本はアジアの中でも、男女平等の面ではかなり下位のグループに入っています。
フィリピンは25位と高い順位に位置しており、女性の政治参加や管理職登用が進んでいることが評価されています。
バングラデシュも政治分野で女性の首相が長年活躍していることから、70位台と比較的良いスコアを出しています。
一方の日本は118位ということで、経済的には豊かな国でありながら、制度や文化の面では後れをとっているという状況です。
「アジアだから仕方ない」という言い訳は、すでに通用しなくなっているのかもしれません。
Xで話題に!みんなのリアルな声を紹介
「男女平等 日本118位」というニュースが報じられると、Xではすぐにトレンド入りし、多くのコメントが飛び交いました。
特に目立ったのは、政治家や企業の姿勢に対する疑問の声です。
「これだけ女性が優秀なのに、なんで政治の場にいないの?」というツイートは多くの共感を集め、リポストが続きました。
また、「育休を取る男性が少ないから、家庭と仕事の両立が女性に偏ってしまう」という現実を指摘する声も見られました。
一方で、「最近は女性の管理職も増えてきているし、以前よりはマシ」という前向きなコメントもあります。
地域によっては女性議員が過半数の市議会もあり、そうした事例がポジティブに拡散されるケースもありました。
こうしたSNSの反応を見ると、不満や諦めだけでなく、改善を願う前向きな意見も広がっていることが分かります。
次のセクションでは、実際に進んでいる取り組みや成功例を紹介していきましょう。
日本で進んでいる取り組みや成功事例
日本の男女平等スコアは決して高くありませんが、すべてが停滞しているわけではありません。
全国には、少しずつ着実に前へ進もうとしている企業や自治体が存在しています。
たとえば、ある大手企業では、女性の管理職比率が30%を超えたという発表がありました。
これは「女性活躍推進法」に基づき、自主的に数値目標を掲げてきた結果でもあります。
また、育休取得率を男女問わず100%に近づける取り組みや、女性の採用比率を上げる試みも広がっています。
地方でも、女性市長や女性議員が中心となって、子育て支援や働き方改革を進めている事例が見られます。
たとえば、保育所の拡充やテレワーク制度の整備など、家庭と仕事の両立を支える制度づくりが評価されています。
こうした取り組みはすぐに数字には表れませんが、長い目で見れば大きな変化につながっていくはずです。

今後どうすれば順位は上がるの?
男女平等のスコアを改善するには、社会全体のしくみと意識の両方を変えていく必要があります。
まず、専門家が口をそろえて指摘するのが「政治分野での女性比率の向上」です。
クオータ制の導入や、女性候補者を増やす仕組みを整えることが、具体的な対策として挙げられています。
また、企業においても、同じ仕事内容であれば同じ評価をするという原則を明確にする必要があります。
制度面では、育児・介護の両立支援や、柔軟な働き方の選択肢を広げることも求められています。
さらに、男性が育児や家事に積極的に関わることが、女性のキャリア継続を後押しするという考えも広がりつつあります。
こうした取り組みが社会の各所で積み重なっていけば、次第に順位にも反映されるはずです。
専門家の意見や提案を紹介
ジェンダーの専門家たちは、日本の順位を上げるためには制度改革と意識の変化を同時に進めることが不可欠だと述べています。
特に注目されているのが、「クオータ制」の導入です。
これは、一定割合の議席や役職を女性に割り当てる制度で、すでに多くの国で成果を上げています。
また、同一労働同一賃金の徹底も重要な課題です。
職場での評価基準を明確にし、性別によるバイアスを排除することが求められています。
教育現場では、男女の役割に関する固定観念をなくすような授業づくりも進めるべきだという声が上がっています。
つまり、政治・企業・教育の3つの柱をそろえて変えていくことが、未来を大きく変える鍵になるというわけです。
個人にもできることがある!
制度を変えるのは政治や企業だけの仕事に思えるかもしれませんが、私たち一人ひとりにもできることはあります。
たとえば、選挙でジェンダー平等に取り組む候補者を応援したり、SNSで知識をシェアしたりすることも、立派なアクションです。
家庭や職場での会話のなかでも、「当たり前」を少しだけ見直すことが、小さな変化につながっていきます。
こうした意識の積み重ねが、未来の順位を変える力になるはずです。
まとめ:男女平等118位の現実と、これから私たちができること
今回は、「男女平等 日本は世界で118位」という話題について解説しました。
ジェンダー・ギャップ指数という国際的な指標を通じて、日本がどの分野で遅れており、どこに可能性があるのかを見てきました。
特に政治と経済の分野での課題は深刻ですが、教育や健康では一定の評価も得ています。
また、企業や地方自治体では前向きな動きも広がっており、決して希望がないわけではありません。
大きな変化はすぐには訪れませんが、制度改革と意識の変化が重なれば、少しずつでも未来は明るくなります。
まずは知ること、話すこと、選ぶこと。
日々の中でできるアクションを大切にしながら、次の世代に誇れる社会を目指していきましょう。
