フレンチブルドッグのいびきには、病気が要因となって発生しているものがあります。
「危険ないびきの特徴を知りたい」
「すぐに病院へ連れて行った方がいいのか知りたい」
このように思われる方もいるのではないでしょうか。
フレンチブルドッグの危険ないびきの特徴を知ることで、より早く愛犬の異常に気づき、適切な処置ができます。
本記事では、フレンチブルドッグの危険ないびきや病気について紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
筆者の赤おにです。
犬(主にフレンチブルドッグ)の役立つ情報を発信しています。
- 『フレンチブルドッグの秘密の世界』 運営者
- ペット栄養管理士
- 愛玩動物飼養管理士2級
- 犬の飼育経験10年
- フレンチブルドックを飼育中
フレンチブルドッグのいびきの原因
フレンチブルドッグがいびきをかきやすい原因は、体の構造に関連があります。
フレンチブルドッグは頭蓋骨の長さに比べて、マズルが短い「短頭種(たんとうしゅ)」に属しています。
パグ・ブルドッグ・シーズー・ペキニーズなどの犬種も同様です。
短頭種は鼻の穴が狭く、鼻腔(びくう)や気管が短いという体の構造を特徴としています。
鼻の穴が狭いと取り入れる酸素の量が減ります。
鼻腔や気管が短いと一度に行える呼吸が浅くなり、息が上がりやすくなります。
そのため、フレンチブルドッグは少しの運動で呼吸が荒くなりやすく、寝ているときはいびきをかきやすくなってしまうのです。
いびきは「鼻ぺちゃ」で愛嬌のある犬種によく見られる特徴ですので、フレンチブルドッグがいびきをかくこと自体はめずらしくはありません。
気持ち良さそうに一定のリズムでいびきをかいているのであれば、とりわけ心配する必要はありません。
ただし、いびきは加齢や肥満、病気によって悪化するので、いびきの様子には常に気にかけておくことが大切です。
フレンチブルドッグの危険ないびきの特徴
フレンチブルドッグがいびきをかくことは、体の構造上、自然なことです。
しかし、なかには命に関わる病気と関連している危険ないびきがあります。
以下のような特徴が見られたら、病院で診てもらう必要があります。
- いびきが途中で止まることがある
- 急に大きないびきをかくようになった
- いびきがいつもと違って「がーがー」という音がする
いびきは人間にも共通する病気を見つける手掛かりとなります。
愛犬のいびきにどんな特徴があるか、観察するようにしましょう。
いびきをかいている動画を録画し、獣医さんに見てもらえば、診察の良い材料となります。
ファーボなら愛犬が「吠えている」「嘔吐した」などの行動をしたときに自動でショート動画を作成してくれます。
そのためすべての動画を見返す必要がないので、忙しい飼主さんにおすすめのペットカメラです。
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また、呼吸の仕方においても以下のような特徴があれば注意が必要になります。
- 常に苦しそうに「ぜーぜー」と呼吸をしている
- 浅くて短い呼吸を繰り返している
呼吸器系の疾患は命に関わる危険な病気もあります。
普段の様子と異なるいびきや呼吸が見られたら、早めに病院に連れていくようにしましょう。
フレンチブルドッグのいびきと関連する病気
フレンチブルドッグのいびきと関連する代表的な病気はいくつかあげられます。
フレンチブルドッグ特有の先天的な疾患もあるので、これからフレンチブルドッグを迎えようと考えている方も、参考にしてみてください。
以下の代表的な病気を5つ紹介します。
迅速な処置が必要になる病気もあるので、1つずつ症状を解説します。
①外鼻孔狭窄症(がいびこうきょうさくしょう)
鼻の穴が極端に狭く、L字型の形になっており、短頭種に先天的にみられる症状です。
鼻から吸う息の量が少なくなるので、呼吸がスムーズに行えず、少しの運動ですぐに息が上がってしまいます。
重篤化して気道に負担がかかり続けると、呼吸困難や睡眠障害を引き起こしやすくなるので、命に関わる可能性がある病気です。
処置としては、外鼻孔を拡張させて取り込む空気の量を増やす外科手術があります。
参照:ひがしやま動物病院
②軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)
軟口蓋過長症は、気道の入口が狭くなり呼吸がしづらくなる病気です。
口腔内の喉奥側にある天井部(軟口蓋)が通常よりも長くなっていることが要因です。
この病気を発症すると、呼吸のときに雑音が混じったり、食べ物を飲み込むときに気道が圧迫されるようになってしまいます。
そのため、呼吸音の中に変な音が入っていたり、食べるときに苦しそうにしたりする場合は、軟口蓋過長症の疑いがあります。
こちらも先天的な症状のため、予防をすること自体は難しいですが、外科手術で軟口蓋を切除して症状の改善は可能です。
参照:けいこくの森動物病院
③喉頭(こうとう)・気管の虚脱
「喉頭虚脱」
外鼻孔狭窄(がいびこうきょうさく)や軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)に伴って生じる症状です。
鼻から喉にかけて空気の流れる道が慢性的に塞がりやすくなり、喉にかかる圧力が高まることで、喉の軟骨が変形してしまいます。
悪化すると、血液中の酸素が不足して皮膚や粘膜が青っぽく変色する「チアノーゼ」を引き起こします。
「気管虚脱」
気管の一部が押しつぶされてしまい、気道が狭くなり呼吸が苦しくなる病気です。
一度押しつぶされてしまった気管は自然と元に戻せないため、外科手術で処置する必要があります。
鼻を「ぶーぶー」と鳴らしたり、「がーがー」「ぜーぜー」と苦しい呼吸をしていたりする場合、喉頭虚脱もしくは気管虚脱の疑いがあります。
参照:相川動物医療センター
④気管形成不全
気管が十分に成長せず、通常よりも気管が狭くなってしまう病気で、特に若い年齢の短頭種に多く見られます。
常に気管が狭くなっている状態で、特徴的な症状は咳です。
外科手術ではなく内科治療で処置をするのが一般的です。
気管支拡張薬や抗生剤などが組み合わさった薬を服用させることで、症状の緩和を目指します。
ただし、体重の増加によって症状が悪化するため、ダイエットで予防することが大切です。
参照:相川動物医療センター
⑤喉頭室外反(こうとうしつがいはん)
炎症が原因で声帯の横にある「くぼみ」の粘膜に水ぶくれのようなものができ、それが腫れを引き起こして気道を狭くしてしまう病気です。
通常、息を吸うときに喉頭は円形に拡がりますが、腫れていると喉頭が十分に拡がらず、呼吸がスムーズに行えなくなってしまいます。
激しい咳をしたり、長時間吠えたりすることが炎症の要因につながります。
そのため吠えないようにしつけをしたり、咳が続いていたりする場合は病院に連れていくことが大切です。
参照:千葉中央どうぶつ病院
以上、代表的な病気を5つあげましたが、フレンチブルドッグは先天的な病気が多い犬種です。
いち早く異常に気づくことで、処置が軽く済む場合があります。
そのため、愛犬の様子がいつもと少しでも違うと思ったら、早めに病院へ連れていくことを心がけてください。
フレンチブルドッグのいびきの対処法
フレンチブルドッグのいびきの悪化を予防することはできます。
日常生活の中で工夫して実践できるものなので、ぜひ取り入れてみてください。
それでは、詳しく解説します。
①ダイエットをする
ダイエットをすることで、フレンチブルドッグの体の負担を減らせます。
フレンチブルドッグはもともと呼吸が荒い傾向にあるので、過度な運動はかえって体の負担になってしまいます。
そのため、以下のようなダイエット方法がオススメです。
- 食事を見直す
- 軽い散歩を日常的に行う
- 家の中で遊ぶ時間を作る
食事の見直しはダイエット食に変えたり、量を減らしたりと、すぐにでも取り組めるものです。
ダイエットを成功させるには、軽い散歩を日常的に行ったり、家の中で遊ぶ時間を作ったりして運動量を増やすのがおすすめです。
愛犬の気分転換になり、飼い主が愛犬と向き合う時間も必然的に増えるので、大切なコミュニケーションにもつながります。
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②寝ている体勢を変える
フレンチブルドッグの寝ている体勢を変えることで、いびきを軽減できます。
犬はリラックスするとお腹を上に向けて寝るので、その姿を可愛いと思う飼い主は多いでしょう。
しかし、気道を確保するという観点では、あまり良い体勢とは言えません。
そのため、お腹を内側にする姿勢に変えてあげたり、体の大きさにフィットしたベッドに寝かせたりすることで、気道にかかる負担を軽減できます。
また、犬用の小さい枕を頭の下に置いてあげることも、気道が確保しやすくなるのでオススメです。
③気温を調整する
フレンチブルドッグは体温調整が苦手な犬種です。
とりわけ暑さにとても弱いため、熱中症のリスクも上がります。
気温の上下でストレスを感じていびきが悪化することがあるので、時期に応じて適切な対策をしましょう。
暑い時期はエアコンで室内を適温に保ち、日中の散歩は控えることをおすすめします。
このような配慮をすることで、気温のストレスを感じにくくなります。
以上のような心がけで、ある程度フレンチブルドッグのいびきを予防できます。
愛犬になるべく負担がかからないためには何をする必要があるのか、普段から考えることが愛犬と飼い主の幸せにつながります。
まとめ
本記事では、フレンチブルドッグの危険ないびきを解説しました。
- いびきが途中で止まることがある
- 急に大きないびきをかくようになった
- いびきがいつもと違って「がーがー」という音がする
フレンチブルドッグがいびきをかくのはめずらしくはありません。
しかし、なかには命に関わる危険な病気と関連しているいびきもあります。
そのため、フレンチブルドッグ特有の先天的な特徴や、かかりやすい病気を知っておくことはもちろん、普段の様子を気にかけてあげることがとても大切です。
普段の様子と少しでも違うと思い当たることがあれば、なるべく早めに動物病院に連れていくようにしましょう。
愛犬を観察し、適切な処置を早めに行えば、一緒に過ごせる大切な時間を増やすことができます。