秋になると「柿」がスーパーに並んでいてついつい買ってしまいますよね。
愛犬と一緒に暮らしていると、飼主さんが食べているものを少し与えたりする家庭は多いはず。
しかし、柿ってそもそも犬に与えてもいいものかわからない方も多いことでしょう。
犬に与えるものは、栄養素やアレルギー、中毒になる物質が含まれていないかをしっかり確認することが大切です。
そこで今回は、下記のような疑問を解決します。
この記事で解決できる悩み
・犬に柿を与えても大丈夫なの?
・犬に柿を与えるときに注意すべき点はある?
筆者の赤おにです。
犬(主にフレンチブルドッグ)の役立つ情報を発信しています。
- 『フレンチブルドッグの秘密の世界』 運営者
- ペット栄養管理士
- 愛玩動物飼養管理士2級
- 犬の飼育経験10年
- フレンチブルドックを飼育中
犬は柿を食べても大丈夫なの?
結論:犬に柿を与えても大丈夫です
結論、犬に柿を与えても大丈夫です。
ただし、炭水化物を含んでいるので、たくさん与えると肥満になるので、注意しましょう。
熟していない柿は硬いので、与えないようにしましょう。
喉に詰まらせないように皮やヘタ、芯を取り除いて小さく切り、愛犬が噛みやすい熟した甘い柿だけを与えるようにしましょう。
他にも犬が食べてはいけない食べ物について知りたい方は、
下記の記事が参考になりますので、ぜひご覧ください。
柿の栄養素<水分が8割・食物繊維が豊富>
柿に含まれる栄養素は、下記のとおりです。
- 水分・果糖
- 食物繊維(ペクチン)
- βカロチン
- ビタミンC
- タンニン
- カリウム
- 水分・果糖
実は、柿の約8割が水分です。
シニア犬や病気を患っている犬で、水分補給がなかなかできない場合は、柿を与えると効果的です。
またフレンチブルドックなどの短頭種は、暑さに弱いため、夏場は熱中症になる可能性が高いです。
なので、散歩の前に柿を与えることで、しっかり水分補給ができます。
しかし、柿には果糖も含まれています。
果糖を摂取すると、血圧上昇・多尿になる可能性があるので、心臓病や肝臓が悪いわんちゃんには、
与えすぎに注意しましょう。
- 食物繊維(ペクチン)
柿には、食物繊維が含まれています。
柿に含まれるペクチンのほとんどが、食物繊維で生成されています。
食物繊維は、腸内環境を整える効果があるので、適量を摂取することは健康に良いとされています。
しかし、与えすぎると消化不良になって、下痢をまねく可能性があるので、注意が必要です。
また与えすぎると他の栄養素の吸収率が低下します。
なので、成長期の子犬や病気の犬には、与えすぎないようにしましょう。
- βカロチン
柿には、βカロチンが多く含まれています。
βカロチンが体内に入ると、ビタミンAに変化し、皮膚や粘膜を強くします。
粘膜が強化されると、感染症を予防したり、皮膚の健康維持に効果があります。
またβカロチンは、抗酸化作用があります。抗酸化作用により、細菌やウイルスによる体内からの攻撃に対抗することができます。
また免疫細胞を活性化させる効果があるので、病気に強い体を作ることができます。
特にシニアにおいて、免疫細胞活性化が顕著にみられるという研究結果がもあるので、
シニア犬の健康促進におすすめです。
- ビタミンC
柿には、ビタミンCが含まれています。
犬がビタミンCを摂取すると、下記のメリットがあります。
・皮膚が健康的になる
・紫外線のダメージを軽減
・感染症予防
・傷の回復促進
またβカロチンと同様に抗酸化作用があります。
なので、皮膚の健康や免疫力のアップに効果があります。
犬は肝臓でビタミンCを合成ができます。
しかし、犬はストレスを感じるとビタミンCをたくさん消費します。
「散歩にいけていない」「遊ぶ時間が取れていない」など愛犬にストレスを与えてしまっている自覚がある場合、ビタミンCを摂取させると効果的です。
もちろん根本的なストレスを解消してあげることも忘れずに行いましょう。
- タンニン
柿の渋みの成分であるタンニンは、ポリフェノールの一種です。
タンニンも抗酸化作用があるので、免疫が上がります。
組織や血管を小さくする収縮作用があるため、お通じが悪くなることがあります。
消化機能が低下しているシニア犬にとって、タンニンの摂り過ぎは、
便秘や下痢などの過敏性腸症候群を引き起こす可能性があるので、たくさん与えすぎないように注意しましょう。
- カリウム
カリウムは高血圧に効果的です。
体液の浸透圧を正常に保ち、体内に蓄積された塩分を尿として排出する利尿作用により、血圧を低下させます。
また、カリウムは神経伝達や筋肉の収縮にも重要な役割を果たし、健康な体を作るために欠かせないミネラルのひとつでもあります。
しかし、腎臓に疾患がある場合、注意が必要です。
カリウムは腎臓が悪いと尿への排出が減少します。
そうすると血液中のカリウム濃度が高くなる「高カリウム血症」になる可能性があります。
高カリウム血症になると、四肢のしびれや筋肉の衰え、心拍の異常などが起こる可能性が非常に高くなります。
ナトリウムやカリウムなどの電解質は油断すると大変なことになるので、特にシニア犬は定期的に血液検査を受けることが大切です。
犬に柿を与える時の注意点5つ
犬に柿を与える際は、下記の点に注意しましょう。
- 熟した柿を選ぶ
- 種・皮・ヘタを取り除く
- 細かくカットする
- 与えすぎない
- アレルギー反応をまねく
- 熟した柿を選ぶ
熟していない柿には「アルカロイド」と呼ばれる有毒物質が含まれています。
愛犬の体調によっては中毒を起こす可能性がありますので、与える際は完熟した柿を与えるようにしましょう。
熟していない柿を食べると、腹痛、下痢、お腹の張り、食欲不振など、中毒症状が現れます。
深刻な中毒症状が確認できなくても、必ず動物病院で診察を受けるようにしてください。
柿を食べさせる場合は、果実が赤く熟していることをしっかり確認しましょう。
- 種・皮・ヘタを取り除く
犬に柿を与える場合、皮、種、ヘタを取り除きましょう。
柿の皮・種・ヘタは硬いため、消化が悪くなるためです。
さらに、小型犬が柿の種を飲み込むと、腸閉塞を起こす可能性があり、窒息の危険があります。
基本的には犬が柿の種を食べた場合、うんちに紛れて排出されますが、異常があった場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
また、柿の皮には、ペクチンやアスコルビン酸などの栄養素が含まれていますが、農薬が混入している可能性があるので、与えるのは避けた方が無難です。
- 細かくカットする
犬に柿を与えるときは、細かくカットして与えましょう。
人間が食べるような大きめのサイズを与えると、飲み込んだときに食道をふさいだり、腸閉塞を起こしたりして、窒息の危険性があります。
なので、愛犬のサイズに合った大きさに柿をカットしてあげましょう。
- 与えすぎない
柿に含まれる果糖は、体重増加の原因になります。
犬種や年齢、体調を考慮し、1日の摂取カロリーを適正にすることが大切です。
肥満が原因となり、深刻な健康被害をもたらす可能性があるので、注意する必要があります。
柿をおやつとして与える場合は、1日の食事量を少し減らしてカロリーを調整しましょう。
柿のドライフルーツであれば、無添加で健康にも良いので、おすすめです。
- アレルギー反応をまねく
柿に対してアレルギー反応をまねく犬もいます。
具体的には、下記のようなアレルギー反応が見られます。
・口周りが赤くなる
・嘔吐
・下痢
・食欲がなくなる
・目が充血する
・皮膚が痒くなる
・顔がむくむ
・毛が抜ける
上記のような、アレルギー反応を最小限に抑えるためにも、柿を初めて与えるときは、少しずつ与えるようにしましょう。
そうすることで、アレルギー反応の程度が軽くなり、アレルゲンの特定が容易になります。
犬に柿を与える時はどんなタイミングがいい?
犬からすると、熟した柿は、甘みがあるご馳走です。
飼い主が柿を食べるタイミングで与えてばかりいると、愛犬は「またもらえる」と思い、柿を見るたびにおねだりするようになります。なので、可愛いからといって与えすぎはよくありません。
おすすめは、下記のようなタイミングです。
- 食欲不振
熟した柿は、体重に関係なく、チワワなどの小型犬や顎の弱い犬でも飲み込むことができるので、病気や食欲不振のときに与えると栄養補給を助けます。
- ご飯と一緒に与える
栄養バランスの良い食事と一緒に与えることで、果実に含まれる果糖やビタミンAなどが全身の健康増進に役立つため、補助的な栄養補給としても有効です。
- 夏場の散歩前に与える
柿は犬の水分補給に最適なので、水を十分に飲まない犬に与えるのにも適しています。
水を飲まない犬でも、甘くておいしい柿であれば、食べてくれます。
夏場の散歩では、フレンチブルドックなどの短頭種は、立っているだけで「ハァハァ」と過剰なパンティングになります。
熱中症を予防するためにも、柿を与えて水分補給することをおすすめします。
散歩中に水分補給が必要な場合は、下記のような持ち運びができるボトルが便利です。
まとめ
秋の風物詩である柿は、犬も大好きな果物のひとつです。
柿には、ビタミンC・カリウム・タンニンなどの栄養素が豊富です。
ただし、果糖や炭水化物が含まれているので、与えすぎには気をつける必要があります。
その他にも、今回ご紹介した柿を与える際の注意点に気を付ければ、問題はないので、愛犬と一緒に柿を食べて健康になりましょう。